フォーラムへの集中連載④プログラム2『ライブ「Living Together × 東京迂回路研究」』

連載4回目は、9/5(土)17:30~20:00に開催する、プログラム2「ライブ「Living Together × 東京迂回路研究」」 のご紹介を。

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写真は、以前出演させていただいた「Living Together のど自慢」のワンシーン。

★フォーラムへの集中連載
①「対話は可能か?」
②前夜祭『「幻聴妄想かるた」大会』
③プログラム1『トークセッション「共に生きるということ」』
④プログラム2『ライブ「Living Together × 東京迂回路研究」』
④プログラム3『ふわカフェ in 東京迂回路研究』

Living Together。この言葉に私たちは大きな刺激と影響を受け、東京迂回路研究をすすめてきました。

活動のなかで、はじめてこの言葉に出会ったのは、昨年のトークシリーズ「迂回路をさぐる」でお招きしたアキラ・ザ・ハスラーさんのお話からでした。Living Togetherというのは、「すでに共に生きている」という言葉です。HIV/AIDSの予防啓発の現場でよく目にする言葉で、このような解釈がされているといいます。

予防啓発と陽性者支援を統合した新しい考え方と手法。「HIV陽性の人も、陰性の人も、どちらかわからない人も、この社会ですでにいっしょに暮らしている」ということを前提とする考え方。そのリアリティを共有するために、陽性者やその周囲の人たちの手記集の発行や、手記リーディングイベント、展示会などが行われている。
(出典:特定非営利活動法人ぷれいす東京 HIV/エイズ関連ワード集

多様な人々が暮らしていて、そこに幾重にもある境界線を引き、引かれながら生きている私たち。しかし私たちは、これから境界線を超えてともに生きていこうとするのではない。すでに共に生きている。Living Togetherという言葉にそのような強い意志を感じ、共感を覚え、いつしかわたしたちが活動していくなかでの大きな下支えとなる言葉になっていきました。今回のフォーラムのキャッチコピーとして付けている「共に生きるということを体感し、そのありようについて考える3日間」という言葉も、このLiving Togetherという言葉が背景にあります。

Living Together計画というプロジェクトが立ち上がり、長年行われていた「Living Together Lounge」という試みがあります。
これは、HIV/AIDSの陽性者となった人たちによる手記を朗読し、そのあとライブを聴く、というものです。手記には陽性者となった人々の葛藤や日常の風景、パートナーや家族との関係、さまざまな形で書かれています。朗読する人は、用意された手記のすべてに目を通し、自らの想いを重ね合わせられたり、自分が読んでみたいと思う手記を選び、本番には感想を添えて朗読します。それは、手記を書いた人と、手記を読んでいる人との人生が、ほんの一瞬重なり合っているようです。
そして朗読が終わると、おもむろにライブが始まります。ライブは手記やHIV/AIDSに関係ないこともあれば、大きな影響を受けている場合もあります。いずれにせよ聴衆は、手記の朗読の時間で感じ取ったことを、音楽を聴くということで昇華していきます。
(ちなみにこの実践について、本法人の理事でもある中村美亜さんが事例のひとつとして書籍にまとめています→『音楽をひらく―アート・ケア・文化のトリロジー』

この実践はまさにこのフォーラムにふさわしいのではないか、と思い、NPO法人aktaさん、Living Together計画のみなさんにご協力をいただき、コラボレーションをする機会を持つことができ、豪華な出演者のみなさんにも恵まれ開催の運びとなりました。
齋藤陽道さんは、写真家として大活躍されており、昨年の「JOURNAL 東京迂回路研究 1」の巻頭写真でも記憶に新しいかと思います。また「障害者プロレス」のレスラーという顔も持っています。今回はそのどちらでもなく、朗読という形でご参加いただきます。
佐藤郁夫さんは、ぷれいす東京で長年スピーカー活動をされていて、NHK福祉ポータル「ハートネット」の中で連載もお持ちです。そのとつとつとした文章の語り口そのままのおだやかな雰囲気で、Living Together Loungeにも何度かご出演なさっていたとのことで、今回も朗読で参加いただきます。
GOMESSさんはラッパーで、高校生ラップ選手権で頭角を現しました。現在では複数枚のCDを発売し、ライブも精力的に開催されています。なかでも珠玉はフリースタイルのラップ。今回は朗読とライブの両方をお願いしているところです。
司会をお願いしているマダム ボンジュール・ジャンジさんは、まさにこのLiving Togetherを支えている新宿二丁目のコミュニティセンター「akta」を運営されており、先日のLiving Togetherのど自慢でも司会を務めていらっしゃいました。衣装にも要注目。

共に生きることを体感する時間。そこに介在するたくさんの人々の生を、SHIBAURA HOUSEのガラス張りの夜景とともに、垣間見ていただければと思っています。

(長津結一郎)



[プログラム2]17:30~20:00(17:15開場) ライブ「Living Together × 東京迂回路研究」
HIVのリアリティを共有するプロジェクト「Living Together計画」とのコラボレーションイベント。HIV陽性者やその周囲の人が書いた手紙の朗読とライブを行い「わたしたちは、もうすでに共に生きている」ということを体感します。

会場:SHIBAURA HOUSE 5F バードルーム
朗読:GOMESS(ラッパー) 、齋藤陽道(写真家)、佐藤郁夫(ぷれいす東京)
Live:GOMESS(ラッパー)
進行:長津結一郎、マダム ボンジュール・ジャンジ
定員:50名程度
参加費:1000円
*UDトークを使った音声認識字幕による情報支援あり



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