連載5回目は、9/6(日)11:00~12:30に開催する、プログラム3「出張ふわカフェ in 東京迂回路研究」 のご紹介を。
★これまでの連載
①「対話は可能か?」
②前夜祭『「幻聴妄想かるた」大会』
③プログラム1『トークセッション「共に生きるということ」』
④プログラム2『ライブ「Living Together × 東京迂回路研究」』

写真は、国際基督教大学におじゃましたときの歓待の様子。
共に生きるということを体感。ただシンポジウムを一方的に聞くだけではなく、話したり、パフォーマンスを体験したりすることで、さまざまな持ち帰り方をしてほしいな、というのが、フォーラムを構想していた当初からの思いでした。しかし一体何をしようかな…と考えあぐねていたころ、たまたま「もやもやフィールドワーク」の調査先としてお邪魔させていただき、「ふわカフェ」のみなさんにお目にかかることができました。
国際基督教大学ジェンダー研究センター(CGS)で定期的に行われているこの「ふわカフェ」。「ジェンダーやセクシュアリティのこと、みんなでふわっとおしゃべりしてみませんか?」という呼びかけのもと、毎回多くの学生さんや一般の方を集めて行われています。テーマはさまざま。カミングアウトのことだったり、「宗教とジェンダー・セクシュアリティ」だったり(さすがICU)、就活や留学の問題のことだったり。いずれも学生さんが直面する課題に対して対応できるような、しかしフォーカスを広げたテーマを設定しておられる様子でした。グランドルールが設定されており、ここで話されたことは口外しないことが約束されます。なので安心した雰囲気で、いろいろな話が交わされるのです。
なぜ、ふわっと話さなければならないのか。もちろんこの「ふわ」という言葉には、「ゆるふわ」という言葉のような、雰囲気づくりに関わる意味も含まれています。お菓子をつまんで、みんなでゆったりとした気持ちで気兼ねなくお話できる、ということも重要な一要素です。ですがそれ以上に大事なのかな、と私が感じたのが、自分のアイデンティティを表明してもしなくてもよく、自分が「何」として、「誰」として存在するという必要がない場づくり、という意味でした。
ジェンダーやセクシュアリティの問題に関わらず、人は多様性の中で境界を引き、引かれながら生きています。その境界が人を守ることもあれば、人を排除したり、傷つけたりすることもあるでしょう。このふわカフェという実践では、「ふわカフェ」という名前で外との「境界」を引き、内側にいるひとの存在を守りながらも、同時にその内部においては「境界」をあえて取り外そうと試みているのだと感じました。そのことで、どのジェンダー「として」、どのセクシュアリティ「として」、ではない自分として時間を過ごすことができる。
今回の「出張ふわカフェ」でも、そのようなことを大事にしています。このお申し込みをされる方については、本名ではなく仮名やハンドルネームでの参加も可能としました。さまざまな方たちで予約はいっぱいになりました。ジェンダーもセクシュアリティもさまざまな方が集まる場になることでしょう。そこでどのような「対話」がなされるのでしょうか。
ふわカフェを運営されているCGSの加藤悠二さん、元CGSの上田真央さんとも打ち合わせをさせていただきました。あの物品はどっちが用意して、あれは私たちが買っておきます、あとここが心配事です、などなど、いつものふわカフェでもこれだけ綿密に計画を立てていらっしゃるのだろうな、ということが思い起こされる時間でした。「ふわ」っとした雰囲気はこのように支えられているんだな、と感じさせられました。井戸端げんきの加藤さんが以前こんなことを言っていたのを思い出したりもします。
繊細な人たちはシャボン玉みたいにすぐに割れてしまいそうな空気感があってそれを割れないように、更にあからさまにならないように場を作る。精神力も体力もあんな小さな場所だけどものすごい使ってるってことはなかなか伝わらない。っというか伝えない。大変ですよーって伝えることが当事者の暮らしを激変させるきっかけにもなるから。
(引用元)
オープンで開放的ないつもの芝の家とはちょっと違う雰囲気で、安心してお話できる時間になるように進めています。
ここで話されることはここだけのもの。レポートも最小限のものになると思いますが、ぜひ、ここだけの時間、ここだけで話されることに出会うことを楽しみにいらしていただければと思います。
P.S.ちなみに加藤悠二さん、いま個展を開催中です。フォーラムが終わったら行こう。
(長津結一郎)
[プログラム3]11:00~12:30(開場:10:45) 出張ふわカフェ in 東京迂回路研究
国際基督教大学ジェンダー研究センター(CGS)が主催するジェンダーやセクシュアリティについて、みんなでふわっとおしゃべりする場「ふわカフェ」の出張版。今回のトークテーマは「カミングアウト」です。
*国際基督教大学ジェンダー研究センター(CGS)
http://web.icu.ac.jp/cgs/
テーマ:カミングアウト
会場:芝の家
進行:加藤悠二(CGS職員)、上田真央(元CGS非常勤助手)
定員:15名程度
参加費500円
※定員に達しましたのでお申し込みは締め切っております
東京迂回路研究フォーラム「対話は可能か?」申し込み受付中です。
詳細は
こちらのページから。