新体制と、なりました

長津、三宅、井尻の3人が中心となり運営してきた当研究所。今年度は、新たなメンバーを迎え、新体制で各事業を実施していきます。先日ご紹介した、インターンスタッフの石橋鼓太郎くんに加え、今年度実施を予定している「フォーラム」の運営スタッフとして、con*tioの二人を迎えます。

con*tioは、星と星をつないで星座をつくるように、福祉と社会を結ぶことを目的としたユニット。福祉施設のオリジナルプロダクトのディレクションや、マーケットへの出店、障害のあるアーティストの作品集の企画・編集など、さまざまなかたちで福祉と社会を「結ぶ」「つなぐ」なんでも屋さん。心強いです。
con*tio https://www.facebook.com/contio.info?fref=ts

〇本日の活動
・企画会議
引き続き、今年度の企画会議。昨年度より継続実施となる「もやもやフィールドワーク」のスケジュール調整や、今年度より始める勉強会、そして今年いちばん大きなイベントとなりそうな「フォーラム」について。具体的な内容をつめるとともに、こういった事業をとおし、自分たちは何に触れ、問い、発信していきたいのかについて話し合いました。

・con*tioとのミーティング
今年度のフォーラムについて、con*tioを交えてミーティング。そしてさらに、お互いの最近の仕事や、足を運んだ福祉施設等のこと、「おもしろい」人や場所などについて情報交換。
あらゆる分野で言えることかと思いますが、どのような視点でその場を捉えるかにより、その場の見え方は変わってくる。当たり前のようですが、日々の業務の中ではそれを言語化し、検討し、共有する時間を持つことは、実は難しかったりします。でもこういった活動においては、それはとても重要なこと。必要不可欠な時間として意識的に行っています。
今年度も、急ぎ、道を行くのではなく、丁寧に、うろうろしながら進んでいきたいです。

井尻貴子

写真左より
山口里佳(con*tio)、杉千種(con*tio)、長津結一郎(diver-sion)、井尻貴子(diver-sion)、三宅博子(diver-sion)、石橋鼓太郎(diver-sionインターン)

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「高齢社会における文化芸術の可能性」を考えるセッションに参加。

今年度は「週報」として、研究所日誌を書くぞー、と言いつつ、その日のうちに書かないとだめですね…。というわけで、代表の長津です。ソトコト5月号に掲載されたことを契機に、いろいろと仕事が舞い込んできており、ありがたい限りです。

そんななか、勤務日としている木曜日の動きをお伝えする「週報」。4月17日は、アーツカウンシル東京の方に誘われ、「フューチャー・セッション:高齢社会における文化芸術の可能性」というイベントを拝聴してきました。

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イギリスからたくさんのゲストをお招きし、「高齢者と芸術」という観点で活動している方のお話をお聞きするプログラム。たいへん盛りだくさんでした。
印象的だったのは、「高齢者」と言いつつ、多くの活動が「認知症患者」へのアプローチだったことです。症状として失われてしまう「記憶」についてアートが何ができるか、と模索して立ち上げられたプログラムや、アートへのアクセスを保障するプログラムなど、認知症という現実に対してアートがどのように対処できるか、という視点が多く、課題解決型の取り組みとして行われているのだなという印象を持ちました。

いっぽうで、長津がいちばん興味を持ったのは、「エンテレキー・アーツ」の取り組み。たった3人(と資料には書いてあるが、プレゼンでは2.5人と言っていた気が…)のスタッフで、多くのボランティアとともに、日本でいうところの社会包摂型アートプロジェクトを行っているプロジェクトのようでした。
「社会から取り残された個人やグループが、市民としてのつながりを再考する上で、芸術は中心的役割を果たすという信念のもと、①長期的な病気や複雑な障害を抱える若者、②重度の複合的な障害を抱える成人、③学習障害また高齢化に伴う障害のある高齢者(85歳から100歳まで)に向けた活動を行っている」と資料にもあるように、対象もさまざまです。事業のほうも、「孤立した高齢者たちが主催する大規模なパフォーマンス/キャバレーイベント」だったり、「英国における高齢者の体験や願望を探究する演劇作品」だったりと、刺激的な空間をつくるようなプロジェクトを行っているのだなという印象を持ちます。

障害者の表現活動、という言葉を使うときにも直結する課題だなと思いますが、「高齢者とアート」という括りをするとき/せざるをえないときにも、特定のアイデンティティをもつ人たちに対して、「課題を解決する」という視点を持つのか、それとも「ちがいを受け入れ、共になにかを生み出す」という視点を持つのかの差があらわれていたようでした。

当日の会場では、対話型のイベントとして、プレゼンテーションを聞いたあとにフロアで対話するプログラムも進められていました。残念ながら後ろに打ち合わせを控えていたため最後までいられることはできなかったのですが、対話型セッションのほうも「課題を解決する」という視点、すなわち「問題はなにで、そのプロジェクトではどのようなことをして、そのあとに成果はどう出ていたか」という視点ですすめられていたように感じて、少しばかり居心地の悪さもありました。エビデンス(根拠となる数値的基準)が重要視されるイギリスの潮流を知ることで、「成果」としてあらわれないような出来事について想像力をはたらかせるような日本の多くの実践に想いを馳せるような1日となりました。

当日の資料はこちらからも見られるようです。※PDF・5MBくらいありますので注意。

新年度、はじまりました!

4月を迎え、新年度が始まりました。
長-い名前の「多様性と境界に関する対話と表現の研究所」、2年目に突入です。
今年度は、この「研究所日誌」に、diver-sionの日々の活動の様子や、スタッフが今考えていること、ホットな出来事などを、随時アップしていこうと思います。今日はその第1弾。

・本日の活動
今年度の企画について、会議につぐ会議の日でした。今年は、昨年1年をかけてさぐってきた「迂回路」をつなぎ、より広げていくような、様々なイベントを考えています。ご期待ください!

・新スタッフが加わりました
4月より、インターンスタッフとして、東京芸術大学音楽環境創造科の現役学生でもある、石橋鼓太郎くんが加わりました。初仕事は、「JOURNAL 東京迂回路研究1」を読んで、感想文を書くこと(笑)。 そのうち研究所日誌にも登場します。どうぞよろしくお願いします。
 
・ジャーナルの反響、いただいています
3月に完成した「JOURNAL 東京迂回路研究1」。うれしいことに、さまざまなところから反響をいただいています。WEBで読むことが出来るものをご紹介。

○トークシリーズ「迂回路をさぐる」にご登壇くださった、即興楽団UDje( )のナカガワエリさん。 
http://ensembbbu.exblog.jp/

○もやもやフィールドワークにご協力いただいた、RFC(レインボーフォスターケア)の藤めぐみさん。
http://rainbowfostercare.jimdo.com/news-events/
ジャーナルのコラムもご執筆くださいました。

配布をご希望の方は、こちらからお申込みください

・雑誌「ソトコト」に掲載されました
Facebookではお知らせしましたが、雑誌「ソトコト」5月号に、多様性と境界に関する対話と表現の研究所代表理事の長津のインタビューが掲載されました。なんと、巻頭ページです! 1年間の活動を通して考えたことや見えてきたことを、丁寧に記事にしてくださっています。豊富な写真とともに、ふだんの活動の様子もかいま見える内容です。
この記事にも、さまざまな反響をいただいております。長津いわく、「もう悪いことはできない」…。
一部はウェブでもお読みいただけますが、全文は雑誌でお楽しみください。
http://www.sotokoto.net/jp/interview/?id=129

【ご案内】第2回東京フォーラム「いま考えるTURN」に、登壇します
代表の長津が事務局をつとめる、日本財団アール・ブリュット美術館合同企画展「TURN/陸から海へ(ひとがはじめからもっている力)」。その関連イベントとして、第2回東京フォーラム「いま考えるTURN」が、今週末の4月12日(日)に開催されます。「アール・ブリュットとは何か」を、東京から発信する機会。よろしければ、足を運んでみてください。
http://www.hikarie8.com/court/2015/03/2turn.shtml

みやけ

最近の気になるイベント。

こんにちは。「東京迂回路研究」では、イベントはひと段落。以前お知らせしたジャーナルも、デザインが仕上がってきて、編集作業も佳境といったところ。3月の発行を目指して作業中です。

そんな中、研究所のメンバーでよく「情報共有」として、いろんな面白そうなイベントを、LINEやメールでシェアしています。よく考えたらこれ、内々でシェアしているだけだともったいないなと思いました。ので、きょうはいろんな人に面白そうな感触をおすそわけしたいと思います。
3人で持ち寄ってみましたが、それを今日は長津がご紹介。

1) 鹿の劇場「Cry of the Curlew」
奈良県障害者芸術祭「HAPPY SPOT NARA」も今年は4年目。メンバーのなかでも見に行ったり、関わったりしていましたが、今年は見に行けませんでした。見に行けなかったけれどすごく面白かった、らしいです。行きたかった。特にいつも注目しているのがパフォーマンス公演。これまでも、「ゴドー」が来ちゃった「ゴドーを待ちながら」(奈良を拠点に活躍中の劇団「くらっぷ」さん)とか、「歩く」ということに向き合いながらしっとりとソロダンスをつくりあげた「アルクアシタ」(大阪で活躍するダンサーの森田かずよさん)など、かなり目が離せない公演ばかりなので、今年も行きたかった。オーストラリアからCrossRoadArtsというカンパニーの方がいらして、刺激的なパフォーマンスだったらしい……ああ、行きたかった(3度め)。
というわけで来年はぜひ行きたいなと思うので書いておきます。

2) 齋藤陽道さんと荒井裕樹さんの対談。
ちょっと前の記事なんですが、シノドスというWEBマガジンで、写真家の齋藤陽道さんと研究者の荒井裕樹さんの対談を目にしました。齋藤さんと言えば先日Eテレの「ブレイクスルー」で取り上げられていて、全国各地からオファーが絶えないとの噂ですが、実はわたしたちの活動も応援してくれているんです。3月発行予定のジャーナルの巻頭には、なんと齋藤さん撮り下ろしの写真が掲載される予定です。またデザイン段階ですが、その場の空気感を絶妙に捉えていて、言葉になりません。そんなわけでこの対談を読ませて頂きましたが、写真自体ももちろんそうなのですが、写真を撮るというプロセスがまさに「対話」なのだなぁ、と感じさせられました。

3) 久保田翠さんの話を聴きました。
先週、浜松でNPO法人クリエイティブサポートレッツという団体の代表をしている久保田翠さんのお話を東京で伺う機会がありました。浜松で障害のある人の施設を運営されている久保田さんは、ご自身も障害のあるお子さんをお持ちです。その「たけし」くんの存在や在り方を全肯定することからはじまる新しい場として「たけし文化センター」を立ち上げ、さまざまな刺激的な活動をしていらっしゃいます。3月6日〜8日にある「全国アートNPOフォーラム」は、その浜松が舞台となります。わたしたちも全員それぞれのタイミングで伺う予定にしています。私自身は何年ぶりだろう?の浜松です、どのような場に進化しているのか、今からとても楽しみです。

というわけで、またこんな感じのことを書けたらなと思いました。

ジャーナル「東京迂回路研究1」作成中です。

東京迂回路研究、「もやもやフィールドワーク」「トークシリーズ」の二つのシリーズがひと段落、年度末に向けて「東京迂回路会議」の準備をしています。加えて先日、「ジャーナル」のための撮影に行きました。

「ジャーナル」。そう、東京迂回路研究では、年度末に活動を報告するジャーナル「東京迂回路研究1」を刊行予定。その巻頭グラビア(?)の撮影に、先日、「もやもやフィールドワーク 調査編」でもおじゃました、千葉県木更津市にある宅老所「井戸端げんき」に行きました。

撮影風景。お、このカメラマンさんは…?

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詳細はまた追って。
研究所日誌もすっかり止まってしまいましたが、これからぼちぼちと動かし始めます。みなさま、よいお年をお迎えください。